滋養強壮保健薬の項にある2つの漢方!
近頃お問い合わせが急増しました。理由は接客の項にて。
パッケージ例

2つとも体力が弱った時に用いられます

ビミョーに名前も似てる

補と湯だけだね
弱ったお腹に補中益気湯
【補中益気湯カ肝間】この表記について
証:虚弱
重篤な副作用:肝機能障害・間質性肺炎
カンゾウを含む
体力虚弱で元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、寝汗、感冒に適すとされる。まれに重篤な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。

えーっと、虚弱体質でおなかが弱ってて疲れてて…

いっぱい書いてあるよ

とにかく弱っているときのイメージ通りのことが書かれていますね

特筆すべき点はお腹が弱っているときに適していること!
補 中 益 気 湯
字面からイメージしてください。
補う 中(腹の中)
益々(ますます) 元気
湯(あったまる)

…あのさ、添付文書を見たんだけど

重篤じゃないその他の副作用で「胃部不快感」ってのが

ダメじゃん

……

かゆみ止めの塗り薬の副作用に「かゆみ」

よくあることなんでしょうね

お腹を元気にはするけど、決して優しい・保護するって意味ではないのかなぁ
血の巡り 十全大補湯
【十全大補湯カ肝】
証:虚弱
重篤な副作用:肝機能障害
カンゾウを含む
体力虚弱なものの病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血に適すとされるが、胃腸の弱い人では、胃部不快感の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

こっちは病後の体力低下

病後じゃなくても、疲れてダルい人にも向いてる

手の冷え、貧血って書いてあるから血行を良くする生薬が入ってるのかな?

桂皮(ケイヒ)や川芎(センキュウ)などですね!

こちらは補中益気湯と違って、胃腸の弱い人には向きません
十 全 大 補 湯
「身体「大の字」全体に十分に血と元気を補ってあったまる(湯)」って覚えよう

無理やりすぎてかえって清々しいよ
2つの違い・共通点

いったんバラッバラにして配合生薬を見てみましょう

え
黄耆(オウギ)、甘草(カンゾウ)、柴胡(サイコ)、生姜(ショウキョウ)、升麻(ショウマ)、蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)、大棗(タイソウ)、陳皮(チンピ)、当帰(トウキ)、人参(ニンジン)
黄耆(オウギ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、 地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)、川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)

そこそこ共通の生薬が配合されていますね!
十全大補湯だけに配合されている地黄(ジオウ)・川芎(センキュウ)。こちらは胃腸障害のある人には向きません。胃部不快感が現れるおそれが指摘されています。

やっぱり十全大補湯の方はおなかには優しくないんだね!

その代わり川芎(センキュウ)などが血行を良くしてくれます

えっと、じゃあ…
相違点
補中益気湯 | 十全大補湯 |
---|---|
体力がなくて普段から疲れやすい人に | 病後の体力低下や疲労時に |
おなかにを元気にする | 血行を良くする・おなかには優しくない |
重篤な副作用「間質性肺炎」「肝機能障害」 | 重篤な副作用「肝機能障害」 |
共通点
体力虚弱
カンゾウを含む
重篤な副作用「肝機能障害」
接客にて
近頃、補中益気湯・十全大補湯のお問い合わせが増えました。
「コロナウィルスの予防になるのでは?」という説が知られているからです。大変興味深い話題ですが…その真偽・効果については分かりかねます。興味のある方は製薬企業や厚生労働省の公式情報を追ってみてください。
今回の接客は補中益気湯の販売。
上の文とは関係なく、普段から胃が弱りやすいため改善を求めてのご相談でした。
普段から疲れやすい。疲れているときに胃がもたれやすく、食欲がなくなるとのことです。
健胃成分の配合された胃腸薬も一つの候補としてあげましたが、身体が疲れた状態で胃が弱るといった症状にはまさに補中益気湯が適切だと判断しました。
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