抗ヒスタミン成分。前回はその作用の仕組みとそれを取り巻く組織について触れました。
是非こちらを先にお読みください。
今回の記事ではでたらめに多い成分名と、副作用や注意事項について書いていきます。

あんなにいっぱい覚えられん!
頻度の多い成分、特徴的な成分から優先的に覚えてってください😊そしたら影の薄い覚えづらい成分も気になってくるかも?!ひとつでも言えたら大勝利。
↑↑語呂合わせが載っている頼もしいテキストです。「いちばんわかりやすい」の名は伊達ではありませんでした(ホアーキンによる感想)[PR]
薬効群

アレルギー用薬だけじゃないの?

だけじゃないの
「元をたどればアレルギーが起因している症状」だったり、「アレルギー以外の症状」だったり。抗ヒスタミン成分は幅広く配合されています。

使い勝手いいじゃん!
【内服薬】
摂取したあと吸収されて循環血流に入り全身的に作用します。
【外用薬】
患部に浸透して局所的に作用します。

くしゃみ・鼻汁を抑えます
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- カルビノキサミンマレイン酸塩
- メキタジン 重篤
- クレマスチンフマル酸塩
- ジフェンヒドラミン塩酸塩 乳汁移行
じんましんや湿疹、かぶれおよびそれらに伴う皮膚の痒みまたは鼻炎に用いられる内服薬の総称。内服アレルギー用薬は全身に作用するため、皮膚の症状においては広範囲なものに用いられます。

めちゃくちゃ多いんですよ
カルビノキサミンマレイン酸塩
クレマスチンフマル酸塩
ジフェンヒドラミン塩酸塩 乳汁移行
ジフェニルピラリン塩酸塩
ジフェニルピラリンテオクル酸塩
トリプロリジン塩酸塩
メキタジン 重篤
アゼラスチン
エメダスチン
ケトチフェン

いやじゃああああああ

唯一覚えられたのは乳汁中に移行するジフェンヒドラミン塩酸塩だけ!!

いやせめてメキタジンも…

鼻炎って、点鼻薬じゃなくて内服薬もあるの?

鼻炎用内服薬ですね
抗ヒスタミン成分に加えて、アドレナリン作動成分や抗コリン成分等を組み合わせて配合されたものを鼻炎用内服薬といいます。

うわ、なんかすごい奴らごちゃ混ぜしとる

鼻に用いる外用薬です
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- ケトチフェン

外用薬は眠気の副作用についての指摘は特にありませんが、外用&外用の併用の場合は気を付けましょう

クロルフェニラなんとかって出番多いね!

ケトチフェンは名前があっさりしすぎて忘れそうだね

なんかケチそうな名前
「点鼻薬をケチらないで」で覚えました

アレルギーによる目のかゆみに

目薬だ!バチクソしみる奴がいい!!
- ジフェンヒドラミン塩酸塩 乳汁移行
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
またおまえか - ケトチフェン
目薬もケチらないでね

点鼻薬と目薬…これも外用同士の併用だね

「ちんうん」と打っても「鎮暈」と出ないんですよね
- ジメンヒドリナート(ジフェンヒドラミンテオクル酸塩) 乳汁移行
もっぱら乗物酔い防止薬! - メクリジン塩酸塩
効き目が現れるのは遅いが持続時間は長い - クロルフェニラミンマレイン酸塩
もはや常連さん - ジフェンヒドラミンサリチル酸塩等 乳汁移行
- プロメタジンテオクル酸塩等のプロメタジンを含む成分
重大な注意事項

あれ?!なんか酔い止めって個性派ぞろい?!
【プロメタジンテオクル酸塩】
外国において、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要があります

ちびっこが突然…?!
今日からオレは反プロメタ!!

ジフェンヒドラミンもな!!

妻子をもつみぃくん、敵がどんどん増えてく…
【メクリジン塩酸塩】

効き目が遅いですが長く効く、おっとりさん

ナメクジみたいなゆっくりな名前だから覚えた!!
延髄にある嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示す。
- 延髄にある嘔吐中枢への刺激=吐き気の緩和
- 内耳の前庭における自律神経反射=めまいの緩和

そんな作用もあったの?

耳とか神経が出てきた

めまいは「内耳の前庭」の自律神経反射によるもの…第2章の耳についての記事でいつか触れますね!
気管支を広げて、炎症を抑えるのを助けます。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- クレマスチンフマル酸塩
- カルビノキサミンマレイン酸塩

クロルフェニラは今んとこ皆勤賞

クレマスとカルビノはかぜ薬やアレルギー内服薬にもいたよ!鼻だけじゃなくて咳にも効くんだ
せきや喘息、気道の炎症は、アレルギーに起因することがあります。

炎症が原因で過敏になって気管支が狭くなり

さらにヒスタミンが気管支を狭くする
アレルギーによる気管支喘息は、気管支が狭くなることで引き起こされます。

嫌なコンボやん。
ヒスタミン容赦ねぇなぁ

出番です抗ヒスタミン
【注意】
抗ヒスタミンの作用で気道粘膜での粘液分泌を抑えることで痰が出にくくなることがあるため、痰の切れを良くしたい場合は併用に注意する必要があります。

出にくくするvs出そうとする

ファイっ

やめい

うがい薬です
クロルフェニラミンマレイン酸塩

クロルフェニラお前…抗ヒス界の「おまいつ」かよ
※おまいつ…「お前いつもいるな」の略。主にアイドルオタク界隈で使われる
咽頭の粘膜に付いたアレルゲンによる喉の不快感を和らげることを目的に配合されます。
咽頭を限定とした外用薬ですが、結果的に抗ヒスタミン成分を口から摂取することとなり、内服薬と同様な副作用が現れることがあります。

確かにうがい薬ってちょっと飲んじゃうかも
鎮咳去痰薬のように、咳に対する薬効を標榜することは出来ません。

同じものが入ってるとはいえ、用途が違うもんね?
湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等による皮膚の痒みによる、一時的かつ部分的な皮膚症状(ほてり・腫れ・痒み等)の緩和

この部分だけ痒い!という部分的な症状に
- ジフェンヒドラミン 乳汁移行
- ジフェンヒドラミン塩酸塩 乳汁移行
- クロルフェニラミンマレイン酸塩 おまいつ
- ジフェニルイミダゾール
- イソチペンジル塩酸塩

新しいの出たー!
いずれも副作用として、患部の腫れが現れることがある。

腫れの緩和が目的なのに
副作用で腫れる?!

イミダゾールって皮膚薬の成分名でよく見るよ!

意味ありげな名前!

イソチペンジルは初耳

痒くて痒くて掻くのにイソがしい!
塗った患部にスーッと入って、その局所においてヒスタミンと受容体との結合を妨げることで症状を抑えます。

ヒスタミンと受容体を出合わせないやつ、「この部分でだけ!」ってものできるんだ!
内服薬は全身ですが、外用薬は場所を限定して効果を引き出すことができます。
- ジフェンヒドラミン塩酸塩 乳汁移行
- ジフェンヒドラミン 乳汁移行
- クロルフェニラミンマレイン酸塩 おまいつ
痔に伴う痒みを和らげることを目的

わりといつものメンバー、いつめん揃いだね

かいケツが解決するやつです

アハイ

あ!ジフェンヒドラミンいた💢

これが入った注入軟膏・座薬って授乳中はダメだよね!買わない!!
抗ヒスタミンの副作用である「眠気」は、それ自体を目的として睡眠改善薬として用いられることもあります。ただこれは寝つきが悪い、眠りが浅い等、一時的な睡眠障害の緩和に用いられるものです。

副作用が目的って珍しい!

そうだよね、あくまで副作用でしかないから、ガチの症状には使っちゃダメだよね
してはいけないこと
「日常的に不眠の人、不眠症の診断を受けた人」
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)
睡眠改善薬は、慢性的な不眠症状に用いる医薬品でないため。医療機関において不眠症の治療を受けている場合には、その治療を妨げるおそれがあるため。
「あーなんか眠れない日があるなー困ったなぁ」程度の症状にとどめましょう。
「15歳未満の小児」
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬(睡眠改善薬)
小児では、神経過敏、興奮を起こすおそれが大きいため。
神経に作用する成分は小児には刺激が強すぎます。
「妊婦または妊娠していると思われる人」
ジフェンヒドラミン塩酸塩の配合された催眠鎮静薬
妊娠に伴う不眠は睡眠改善薬の適応症状でないため。

うっかりおくさんに買って帰っちゃだめだ!
「授乳中の人」
ジフェンヒドラミンを含む成分が配合された内服薬、点鼻薬、座薬、注入軟膏
乳児に昏睡を起こすおそれがあるため

ジフェンはオレの敵!
妻子はオレが守る!
「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」
すべての抗ヒスタミン成分の内服薬。言わずもがな「眠気」
外用薬であっても、目薬&点鼻薬の併用だとダメ!
「服用前後は飲酒しないこと」
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬
鎮静作用の増強が生じるおそれがあるため。
相談すること
排尿困難
- ジフェンヒドラミン塩酸塩
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
排尿筋の弛緩と括約筋の収縮が起こり、尿の貯留を来すおそれがあるため。特に、前立腺肥大症を伴っている場合には、尿閉を引き起こすおそれがあるため。
排尿筋の弛緩?収縮?字面がピンと来ない方はコチラ
緑内障
抗コリン作用によって房水流出路(房水通路)が狭くなり、眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるお
それがあるため。
成分全集
後ろに特筆すべき点
- クロルフェニラミンマレイン酸塩 おまいつ
- カルビノキサミンマレイン酸塩 アレルギー内服 かぜ
- クレマスチンフマル酸塩 アレルギー内服 かぜ
- ジフェンヒドラミン塩酸塩 乳汁移行
- ジフェニルピラリン塩酸塩 アレルギー内服
- ジフェニルピラリンテオクル酸塩 アレルギー内服
- ジフェンヒドラミンサリチル酸塩等 乳汁移行
- プロメタジンテオクル酸塩 小児×
- トリプロリジン塩酸塩 アレルギー内服
- メクリジン塩酸塩 乗り物酔い
- イソチペンジル塩酸塩 皮膚
- ジメンヒドリナート(ジフェンヒドラミンテオクル酸塩) 乗り物酔い 乳汁移行
- ジフェニルイミダゾール 皮膚
- メキタジン 重篤
- アゼラスチン アレルギー内服
- エメダスチン アレルギー内服
- ケトチフェン アレルギー外用 アレルギー内服
印象深い成分はありましたか?

ジフェンヒドラミン塩酸塩💢プロメタジンテオクル酸塩💢

おっとりさんな酔い止めのメクリジン塩酸塩かなぁ

わたくしはエメダスチン

そんな成分あった?!

ずいぶんニッチだね
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